コンクリート造の外断熱に用いる断熱材に要求される条件とその理由:
A.独立発泡体(独立気泡率が高い)であること
(理由) 雨水などの浸入があった場合、繊維状のものや発泡体であっても連続気泡(スポンジ状)のものは直ちに含水してしまい、断熱性能の低下、機能喪失を招いてしまう。
B.気泡膜のガス透過性が極少であること
(理由) 発泡系の断熱材は、製造過程で高い断熱性を持った発泡ガス(炭酸ガスなど)を用いているので、断熱材内部のガスと空気との置換が少なく、初期性能を長期にわたり維持できる。
C.吸湿性、透湿性、含水性が極めて低いこと
(理由) 水によって膨潤、劣化する断熱材は論外である。特に外断熱にモルタルなどの直仕上げをした場合、仕上げを透過してきた水分が断熱材表面の素材に吸湿され、極寒時、内部凍結が繰り返され接着面を破壊して剥離を招く原因となる。
D.素材、及び発泡に使用されるガスに環境への配慮がなされていること
(理由) 廃棄処理や火災などで有害ガス(シアン化水素など)や有害物質(ダイオキシンなど)を発生させない素材である事は欠かせない。従来、発泡ガスには断熱性が高く、発泡が容易であるフロン系ガスや炭酸ガスが多く使用されてきた。これらは地球にとっての温室効果ガスとなり、地表温度の上昇、さらに異常気象を引き起こしている。特にフロンガスは(代替フロンも含む)生態系や環境に大きな影響を及ぼしているので、これらの環境負荷を伴わない発泡断熱材を賢く選択して使用したい。
E.コンクリート(モルタル)との接着性がよいこと
(理由) 外断熱の場合、躯体コンクリートと断熱材の界面に極力空隙をつくらない為に、打ち込み工法をとりたい。空隙が存在しないということは、結露域内であっても結露が発生しないという事でもある。仕上げモルタルも断熱材の上に直接塗ることが多い為、接着性の良いにこしたことはない。
F.不燃材で熱変形温度は80℃以上のものがよい
(理由) 真夏、屋上スラブの保護モルタルと断熱層の界面温度は80℃近くになるので80℃程度で変形や性能劣化が考えられるものは使用を避けたい。また、隣接建物の火災などでは温度が300℃を超える場合があるので、不燃対応のものを選択したい。なお、万が一の火災時の補修についても部分補修が可能というメリットもある。